君に恋していいですか?
ぼんやりとタバコの煙を目で追いながら、ウイスキーの水割りを飲んでいる薫に、販売事業部に所属している同期の笠松 志信が話し掛けてきた。

「卯月さん、久し振り。」

「あ…笠松くん、久し振り。」

「お酒、強いんだね。」

「そう?普通だと思うんだけど…。」

相変わらずニコリともせずにウイスキーの水割りを飲んでいる薫を見て、志信は笑った。

「いやー、強いよ。卯月さん、この後はどうするの?二次会、行く?」

「誘われてはいるけどね…。居心地悪いから、もう少ししたら帰ろうかなと…。」

「なんで?一緒にカラオケ行こうよ。久し振りに卯月さんの歌、聞きたいな。」

「そんないいもんじゃないでしょ…。」

薫がタバコに火をつけると、志信はいっぱいになった灰皿を空いている灰皿と交換した。


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