君に恋していいですか?
志信が素直に謝ると、薫はポツリと呟く。

「私が今、好きなのは、あの人じゃない…。」

「え…。ちょっと待って…。卯月さん、その人とよりが戻ったんじゃ…。」

「違うよ。確かにもう一度付き合ってくれって言われたけど…私の中では、それはもう有り得ない。」

うつむきがちだった薫が顔を上げて、志信の目を見つめた。

「笠松くん、ありがとう…。あの手紙も、このネックレスも、すごく、嬉しかった…。」

「えっ…オレ…?」

薫がウサギのネックレスにそっと触れてうなずいた。

「このネックレスね…昨日、長野さんが届けてくれたの。手紙と一緒に…。」

「ええっ?!」

(なんで?!オレ確か、石田さんに…。あっ…。まさか石田さんが長野さんに…?しかも手紙まで勝手にゴミ箱から拾ったのかよ!!)



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