君に恋していいですか?
「浩樹との事、長い間誰にも言えずに苦しんで来たけど…私は彼のおかげで、やっと前に進もうって思えるようになったの。だからもう…浩樹との未来は考えられない。」

「……そうか…。道理でキレイになるわけだな…。」

寂しげに作り笑いを浮かべて、浩樹は薫を見つめた。

「あの時は別れの言葉もなかったから、今度こそ浩樹との事、ちゃんと終わらせたいの。」

「…ホントにごめんな…。」

浩樹はつらそうにうつむいて、拳をギュッと握りしめた。

「そう思うなら、次の人には悲しい思いはさせないでね。」

「ああ…。」

薫は微笑みながら、しっかりと浩樹の目を見て別れの言葉を口にした。

「さよなら、浩樹。」

「…薫…さよなら…。」

薫は浩樹に背を向けて歩き出した。


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