君に恋していいですか？

「そんな事ないって。だってオレたち、今普通に会話出来てるじゃん。」

「そうだけど…。」

「だから問題ないよ。ハイ、スマホ出して。」

笑顔でグイグイ迫って来る志信になんとなく逆らえず、薫は仕方なくスマホを出した。

「もっと若くてかわいい子と連絡先の交換すればいいのに…。」

「何それ。オレあの子たちに興味ないもん。」

志信はSS部の若い女の子と楽しげに連絡先の交換をしている同僚たちを横目でチラリと見た。

「なんで？」

薫は志信の言葉を不思議に思いながら、スマホの操作をしている。

「だってホラ…。いい男捕まえようって、普段の自分を隠してるの見え見え。そんな子と付き合ったって、後でガッカリするだけ。」

「…そうかな。女の子はかわいいに越した事ないよ。みんな少しでもかわいくなりたくて努力してる。女の子のそういうところも健気でかわいいって、男の人は思うんじゃないの？」

「どうかなぁ…。」