君に恋していいですか?
今日着ていた洋服にはポケットなんてなかったし、バッグの中にない訳がない。

薫は最後にスマホを手にしていたのはいつだっただろうと考える。

(志信と食事に行って…部屋に戻ってからメールのチェックして…。)

「…あっ!!」

メールのチェックをした後、いつもそうしているように、服のポケットにスマホを入れたつもりでいた。

(あー…私バカだ…。いつもズボンのポケットにスマホをしまうから、つい癖で…。)

薫は志信の部屋にスマホを落として、そのまま部屋を出て来た事に気付いた。

「どうしよう、志信、きっと待ってる…。」

もう一度志信の部屋に戻るしかないと慌てて薫が立ち上がった時、部屋のチャイムが鳴った。

(こんな時間に誰?!って言うか、よりによってこんな時に…。)



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