君に恋していいですか?
二人はお互いのスマホを近付け、赤外線で連絡先の送受信をした。
薫はスマホの画面を確認しながら、小さくため息をついた。
(そのままでいいって言われたから、そのままの自分でいたけど、それでも捨てられたよ。やっぱり私がかわいくなかったからかな…なんて…。)
「ハイ、交換完了ーっ。」
志信がスマホの画面を見ながら嬉しそうにそう言うと、近くにいた同僚たちが驚いた顔をしてこちらを見ている事に薫は気付いた。
「笠松くん。物好きだって思われてる。」
「え?!」
志信は上着のポケットからタバコを取り出しながら、同僚たちの方を見た。
「そうでなければ、怖いもの知らず…かな。」
「えー?そんな事ないよ。みんな、羨ましがってるんじゃないの?」
「そういう風には見えないけど…。」
志信は笑いながらタバコに火をつけた。
(あ…。)
志信のタバコの香りが、記憶の中の浩樹の香りと重なる。
その香りが薫の鼻腔をくすぐり、体の奥が甘い疼きを求めた。
「ん?どうかした?」
「…なんでもない。」
(同じタバコ吸ってる人くらい、いくらでもいるって…。ホント今日はどうかしてる…。)
タバコに火をつけると、薫は胸につかえた苦い想いを吹き飛ばすように、煙を吐き出した。
薫はスマホの画面を確認しながら、小さくため息をついた。
(そのままでいいって言われたから、そのままの自分でいたけど、それでも捨てられたよ。やっぱり私がかわいくなかったからかな…なんて…。)
「ハイ、交換完了ーっ。」
志信がスマホの画面を見ながら嬉しそうにそう言うと、近くにいた同僚たちが驚いた顔をしてこちらを見ている事に薫は気付いた。
「笠松くん。物好きだって思われてる。」
「え?!」
志信は上着のポケットからタバコを取り出しながら、同僚たちの方を見た。
「そうでなければ、怖いもの知らず…かな。」
「えー?そんな事ないよ。みんな、羨ましがってるんじゃないの?」
「そういう風には見えないけど…。」
志信は笑いながらタバコに火をつけた。
(あ…。)
志信のタバコの香りが、記憶の中の浩樹の香りと重なる。
その香りが薫の鼻腔をくすぐり、体の奥が甘い疼きを求めた。
「ん?どうかした?」
「…なんでもない。」
(同じタバコ吸ってる人くらい、いくらでもいるって…。ホント今日はどうかしてる…。)
タバコに火をつけると、薫は胸につかえた苦い想いを吹き飛ばすように、煙を吐き出した。