君に恋していいですか?
正直に下心を打ち明ける志信がおかしくて、でも堪らなく愛しくて、薫は声をあげて笑った。

「もう…バカ…。でもそういうとこ、志信らしくて好き。」

志信は薫を抱き寄せて頬に優しくキスをした。

「一緒にいられて嬉しい?」

「たまには忘れ物もしてみるもんだね。」

「わざと?」

「違うよ。ついいつもの癖で、ポケットにスマホを入れたつもりだったの。」

「慣れない事はするもんじゃないな。でもそのおかげでこうして一緒にいられるし…。やっぱりたまにはいいか。」

「たまにはね。今日は久し振りに志信とゆっくり飲める。」

(そっちか!!)

志信は心の中で思わずツッコミを入れた。


< 280 / 290 >

この作品をシェア

pagetop