君に恋していいですか?
「………めんどくさいのは嫌。」

「めんどくさいって?」

「社内恋愛とか…有り得ない。」

キッパリと言い切る薫に、志信は怪訝な顔をしている。

「そうなんだ。なんで?」

「なんでも。どうしても。嫌なものは嫌。」

「ふーん…。」

薫が頑なに社内恋愛を拒絶する理由がわからない志信は、少し不服そうだ。

「だから、そういう関係を期待するなら他当たって。社内にでも社外にでも、恋愛したい女の子ならいっぱいいるはずだから。」

「別にオレは、どうしても社内恋愛がしたいってわけじゃないよ。」

「なら良かった。貴重な同期だもんね。」

薫が少し笑みを浮かべると、志信はわざとらしく笑って薫の肩を叩いた。

「じゃあ、同期同士、仲良く二次会行こうよ。オレ途中参加だから飲み足りないんだ、付き合ってよ。」

「仕方ないな。」

「あれ歌って!!去年の研修旅行の時にスナックで歌ってた…。」

「`ALISON´?」

「そう!卯月さんの`ALISON´聞きたい!!」

「ハイハイ…。」



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