君に恋していいですか?
志信が社員食堂の前に着いた時には、既に薫はそこにいて志信を待っていた。

「お待たせ。」

「遅いよ。お腹空いた。」

「ごめんごめん。」

(なんか、デートの待ち合わせしてるカップルみたいだなぁ…。)

ほんの些細な事が嬉しくて、志信は笑って薫の顔を見た。

「何食べるんだっけ?」

「一番高いの、コーヒー付きで。」

「姫の仰せのままに。」

「だから…姫はないって…。」

また照れ臭そうにしている薫の顔を見て、志信は嬉しそうに笑う。

(この顔がなんとも言えずかわいい…。)


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