君に恋していいですか?
「笠松くん、何食べてる?」

「豚肉のしょうが焼き定食。」

「美味しそうだね。」

志信は豚肉のしょうが焼きを箸でつまんで、薫に見せた。

「欲しいの?あげようか?」

「ホント?」

嬉しそうに目を輝かせる薫に、志信は少し意地悪く笑って、それを自分の口に運んだ。

「ウソ。」

「もう…。」

ガッカリして膨れっ面になる薫を見て、志信はおかしそうに笑った。

(面白い…!!めっちゃかわいい!!)

「冗談だよ。ハイ、さっきの唐揚げのお礼にあげる。」

志信が豚肉のしょうが焼きをお皿の上に乗せると、薫は小さく志信を睨み付けて、素早くそれを口に入れた。

「もう返せないからね。」

「いいよ。うまい?」

「うん。」

ニコニコ笑いながら食べる薫を、志信は微笑ましく見つめた。


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