君に恋していいですか?
志信が席を離れると、薫は満足そうにお腹をさすった。

(ふぅ、美味しかった…お腹いっぱい…。)

薫は志信の背中をなんとなく眺めながら、ぼんやりと考える。

(なんか笠松くんには変な気を遣わなくてラクって言うか、学生時代の友達みたいでちょっと楽しいかも…。やっぱり同期で同じ歳だからかな?)

志信は他の男性社員より遠慮なく薫に話し掛けてくる。

少し強引だけど茶目っ気があって、なんとなく憎めない。

(弟気質…?なついて来ると、時々からかってやりたくなるんだよねぇ…。なんかちょっとかわいいし…。)

二つのコーヒーを手に戻ってきた志信は、なんとなく視線を感じて薫の顔を見た。

「…どうかした?」

「ううん、どうもしないよ。」

「そう…?」

(気のせい…じゃないと思うんだけどな…。今オレの事ジッと見てた?なんで?とか…やっぱ聞けないなぁ…。)




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