君に恋していいですか?
どこか様子がおかしい薫に、志信は不思議そうに尋ねる。

「知り合い?」

「新入社員の頃に、よく社用車で給油に来てた先輩…。」

「ふーん…?」

(苦手な先輩だったのかな…?)

さっきとは違って急に元気がなくなった薫を見て、志信はわざと明るい声を出した。

「腹減ったな。何食べたい?」

「…焼き鳥…。」

「よし、じゃあ焼き鳥屋行こう。」

「…うん、行こう。」

薫は、やっと顔を上げて少し笑った。

ぎこちない笑みを浮かべた薫に、志信はイタズラっぽく笑った。

「飲みに行く前に、ひと勝負する?」

「え?」


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