君に恋していいですか?
(だから…なんで?)

やけに急速に距離を縮められた気がして、薫は志信の言動に戸惑っていた。

(一体なんなの?私と笠松くんは仲のいい同期ってだけなのに…。こんなのまるで…。)

いつの間にか志信のペースに乗せられている自分と、笑いながらどんどん自分の領域に入ってこようとする志信。

一緒にいるのはラクだし楽しいとは思う。

でも、それは“同じ会社の同期”として。

それだけだ。

(勘違いしちゃダメ…。変に期待させちゃダメ…。私はもう…。)

「オレ…さっき勝ったよねぇ。」

志信の言葉にハッとして、薫は顔を上げた。

「え?ああ、うん。」

「卯月さんにアイス食べさせて欲しいって言うのもアリかなぁ…。」

「えぇっ…。」


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