君に恋していいですか?
二人の間に、ぎこちない空気と沈黙が流れた。

お互いに目をそらして合わせないようにした。

薫がアイスの最後の一口を食べ終わると、志信はタバコの煙を吐き出して、短くなったタバコを水の入った灰皿に投げ込んだ。

「帰ろうか。」

「うん…。」

さっきとは違って少し距離を取って歩く薫に、志信は静かに話し掛けた。

「やっぱり…明日はいいや。」

「え?」

「休みの日までただの同期のオレと一緒にいるなんて…卯月さんにとっては迷惑だよね。」

「…迷惑なんて言ってないよ。」

「無理しなくていいよ。さっきのゲームの分のお願いは…明日の約束、取り消させて。それでいい?」

「……うん。」

薫は小さくうなずいて、志信の背中を見た。

(なんか…笠松くんが今何を思ってるのかとか…もう何も考えたくない…。)



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