君に恋していいですか?
志信は喫煙室でタバコを吸いながら、薫からのメールを見ていた。

(実はもう来てたりして…。)

嬉しくてにやけそうになるのを堪えながら、志信はメールを返信する。


“さっきから喫煙室で、
キリンになって待ってる。”


短くなったタバコを灰皿に投げ込んで上機嫌で席を立つと、隣に座っていた石田が志信を見上げた。

「なんだ、笠松。嬉しそうだな。デートか?」

「いや…オレはそう言いたいんだけど…。相手はそう思ってないんですよねぇ。」

「んー?片想いかぁ?」

「盛大に。」

「相手どんな子?」

「仕事熱心で、さりげなく気遣いできる優しい子ですよ。いろいろ手厳しいけど…すっげぇかわいい。」

「ベタ惚れだな。」

「ええ。フラれっぱなしですけどね。」

「まぁ、頑張れよ。」

「ハイ。」


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