君に恋していいですか?
会社を出た薫と志信は、他愛もない話をしながら焼き鳥屋に向かって歩いていた。

「卯月さん、今日はいつもよりも遅かったね。なんか仕事が長引いてた?」

志信が何気なく尋ねると、薫は少し慌てた様子で視線を泳がせた。

「あっ、いや…ちょっとね…週末だし…。」

「ふーん?片付いたの?」

「うーん…大丈夫…だと思う…。」

いつもよりも歯切れの悪い薫の言葉に、志信は首をかしげた。

(定時間際になって、なんか急ぎの仕事でも入ったのかな?)

コンビニの前で、薫が立ち止まる。

「どうかした?」

「タバコ買ってくる。」

「じゃあ、ここで待ってる。」

コンビニに入った薫は、ひとつ大きく息をついた。

(長野さんはあんな事言ってたけど、笠松くんは気にも留めないって感じ…?まぁ…当たり前だよね。)





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