君に恋していいですか?
志信がコンビニの前で薫を待っていると、これから女子会でもするのか、同じ部署の後輩女子社員が数人で賑やかに通りかかった。

「あ、笠松さん、お疲れ様です!」

「あ、うん。お疲れ様。」

「こんなとこで何してるんですかぁ?」

「ちょっとね。」

(めんどくさいなぁ、もう…。)

後輩たちはキャッキャと楽しそうに志信に話し掛ける。

「あっ、良かったら笠松さんも一緒に行きませんかぁ?」

「すぐそこに、オシャレなダイニングバーがあるんですよぉ。一緒に行きましょうよぉ。」

「いや、オレはいいや。先約あるし。」

「良かったらその方も一緒にどうです?お料理がすっごく美味しいんですよー!」

「へぇ。場所だけ教えてよ。今度行ってみるから。」

「今度じゃなくて今から行きましょ!」

(だから君たちとは行かないって…。)

志信は後輩たちのむせ返るような香水や化粧の香りにうんざりしていた。

(あーもう…。こういう匂いは苦手だ…。)

後輩たちはなかなか諦めようとしない。

(卯月さん、まだかなぁ…。)



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