君に恋していいですか?
薫はタバコを二箱買ってコンビニを出ようとして足を止めた。

(笠松くん…と、販売事業部の女の子たち?)

みんな女の子らしく小綺麗な服を着て、キレイに化粧をしている。

(………。)

薫は思わず志信の周りにいる女の子たちと自分を見比べて、引け目を感じてしまう。

(私…全然女らしくないな…。いくらただの同期って言っても、どうせ一緒にいるなら笠松くんだって…かわいい子の方がいいに決まってる…。)

いつものようにラフな服装で、化粧直しさえしていない。

無意識に自分の髪についた匂いを嗅いで、ガックリと肩を落とした。

(タバコ臭いし…汗臭いし…オイル交換何回もしたから、オイル臭いし…。ひどすぎる…。)

薫は女らしくない自分に情けなさを感じて、ため息をつきながら店の外に出た。



< 97 / 290 >

この作品をシェア

pagetop