君に恋していいですか?
「じゃあ卯月さんも一緒にいかがですか?」

「え…。」

戸惑う薫に、志信が小声で耳打ちする。

「料理の美味しいオシャレなダイニングバーがあるから一緒に行こうって、さっきから…。」

薫は作り笑いを浮かべて、志信を見た。

「私は遠慮するけど…かわいい後輩からのお誘いだし、せっかくだから…笠松くん行ってくれば?」

「えっ?!」

「笠松くんも、若くてかわいい女の子と飲んだ方が楽しいでしょ?」

(は?何言ってんの?)

志信は薫の言葉に、ほんの少しの苛立ちを覚えた。

「笠松さん、卯月さんはそうおっしゃってますけど…。」

「行かない。オレは卯月さんと飲みに行く。じゃあお疲れ。」

志信は後輩たちの誘いを素っ気なく断って、薫の方を向いた。


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