好き好き大好き!
「一緒学校行こうぜ」
「うん」
雄大と並んで歩く私。
こう見たら、本当に佑樹にそっくりだな。
横顔も、笑った顔も、
灼けた肌も、声もワックスで整えられた髪も、横におろした前髪も。
ただ違うのは、佑樹は真面目で雄大はやんちゃなところと
佑樹は可愛い系で雄大はかっこいい系だってこと。
言葉遣いも口調も違う。
「お前さ」
「え?」
雄大は前を向いたまま私に言う。
「まだアイツの事好きなわけ」
そうだ、雄大はなぜか佑樹の事をアイツと言う。
「うん、好き。大好き」
「ふーん。もう諦めれば?」
「そんなことしないしっ!」
「そんなにかよ」
「そんなにだよ」
「いや…面白くもねーよ?」
「あ、はい」
私が佑樹を好きになったきっかけはあの日、雄大の誕生日会を皆で開いた日だった。