飴とノイズと君の声

本当の声

それから1ヶ月程経ったある日。

私は放課後に、あの場所に寄り道していた。

あの場所、というのは、あの不思議な飴を拾った道。

うん、やっぱり、変わったところなんて何もない、普通の道。


「ふーちゃん」


背後から声がして、私は振り向く。
そこには、見慣れた琳ちゃんさんの姿があった。


「もう、一緒に帰ろうと思ったのに先に帰ってて焦ったよ」

「あー、ごめんなさい...って...え!?」


私はあることに驚愕した。


「り、琳ちゃんさん...声...」

「うん。なんか、今さっき出るようになった」

「そ、そんなにあっさり...もうちょっと感動的なタイミングとかあったでしょ...」

「あはは、まぁいいじゃん。やっと普通に話せるよー。ふーちゃんのおかげだね」


無邪気な笑顔、明るい声。
琳ちゃんさんの本当の声聞くの、すごく久々な気がする。
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