飴とノイズと君の声
そして、その瞬間に、琳ちゃんさんは私の唇に、自分の唇を優しく重ねた。

私は驚きのあまり、そのまま動くことができない。

それから暫くして、琳ちゃんさんは唇を離し、私の目をじっと見た。


「り、琳ちゃんさん...」

「...伝わった?」

「えっ...?」

「...今、ふーちゃんに自分の気持ちを伝えたんだけど...声、聞こえなかった?」


...何も、聞こえなかった。

困惑の表情を浮かべる私に、琳ちゃんさんは優しく微笑んだ。


「...解けたみたいだね、ふーちゃんにかかった魔法」

「解けた...?」

「...うん。キスで解けるなんて、白雪姫みたい」


白雪姫...。
白雪姫は、毒林檎を食べて眠ってしまい、愛する王子様のキスによって目覚める。

...愛する、王子様...?
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