飴とノイズと君の声

｢ふーちゃん｣

｢あ、はい！なんですか？｣

｢ふーちゃんはどうしていつも一人でいるの？｣

｢えっ？｣

｢いや...嫌われてる訳でもないのに一人でいるのってなんでなのかなぁって｣

｢あー...それはただ単に、マイペースってだけですよ。人混み苦手だし、周りに合わせるのもあんまり好きじゃなくて｣


突然の琳ちゃんさんの質問に、私は少し不思議に思った。
そんなに変なのかな？


｢マイペース、かぁ。いいね、なんか｣


琳ちゃんさんはそう言って、微笑む。

...なんかよく分からないや。


｢ふーちゃんもさ、俺のこと、みんなみたいに呼んでいいよ？｣

｢いえ、私の中でもう琳ちゃんさんって登録されてるので！｣


私がそう言うと、琳ちゃんさんはおかしそうに笑って、｢ふーちゃんって面白いねー｣と言った。

心の声は、聞こえない。
だから、それが本心なのか分からない。

...だけど、琳ちゃんさんの笑顔は、教室のキラキラな笑顔とは違って、ほんわかして見えた。