飴とノイズと君の声
「BAD RADのお二人で、Answerでした!ありがとうございました!」


歌い終わり、大きな拍手が二人を包む。

二人は笑顔でお辞儀をし、ステージを去る。


『...誰が俺の歌、聴いてくれてんだろうな』


「えっ...?」


聞こえた琳ちゃんさんの声は、酷く悲しそうだった。

誰がって...スタジオにいる人も、視聴者も、聴いていたんじゃないかな。

あんなに大きな拍手をもらったのに、琳ちゃんさんは不満げで、まるで独りぼっちの空間で、独りぼっちで歌っていたような、そんな声色と言葉だった。


「聴こえて...ますよ?琳ちゃんさんの声...」


一人で呟くように言ったけど、私の声は琳ちゃんさんには届かない。


『...助けてー。なんつって』


どうして?
どうしてそんな辛そうな声で、助けを求めるだろう。

もしかして、今までずっと、そうやって琳ちゃんさんは聞こえない声をあげてきたの...?

辛そうな、反抗的な声。
その声に、私の心は締め付けられた。
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