飴とノイズと君の声
授業中の琳ちゃんさんの様子は、昨日よりかなり落ち着いていた。


『あー、疲れた。最近寝られてねぇな』


...疲れているみたいだけど。


『保健室にでも行って休むか?...いや、面倒なことになるよなー』


どうやらサボることを考えているみたい。
すっごい真面目な顔で悩んでて、なんだか少しおかしくて笑ってしまう。

そんな風に授業時間を過ごし、昼休憩になった。


「ねぇねぇ琳ちゃん、今日一緒にご飯食べない?」

「あー、ごめん。俺ちょっと先生に呼ばれてるからさ」

「そっかぁ、残念...。また一緒に食べようね!」

「うん!また!」


『疲れた...人通りが少ないところでちょっと休むか。んー...裏庭とか?』


琳ちゃんさんは席を立ち、教室を出た。

私も弁当を開いて、手を合わせようとした瞬間...。


『聞こえる?』


「えっ...?」


語りかけるような口調に、少し驚く。


『んー、やっぱ冗談だよな。さすがに心が読めるなんてこと、あるわけねーか』


それは、私のこと、かな?
昨日の会話を思い出す。


『もし聞こえてるんなら、来てくんねぇかな』


私は、弁当を包んで教室を出た。
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