飴とノイズと君の声
「本当?」

「はい。琳ちゃんさんと、もう少しお話ししていたいです」

「...嬉しい。ありがとう」


その表情は、どこか安心したような表情だった。

琳ちゃんさんがすがれる人は、他にいないのかな。

やっと気づいた。
私じゃ、琳ちゃんさんを理解できないって。

それは、私の未熟さと、琳ちゃんさんの心の複雑さ。

楽しい時間と悲しい時間が、入り交じってしまって、私は臨機応変に対応できない。
だから、こんな風に、琳ちゃんさんに合わせることしか出来なくなるのかもしれない。


「...ついてきてくれる?」

「どこにですか?」

「...スタジオ」

「スタジオ...?」
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