飴とノイズと君の声
「慧太くん、衣装合わせするよ」

「あ、はーい!じゃあ、琳ちゃん、ふーちゃん、またね~」

「おう」

「あ、はい!」


けーちゃんさんが部屋から出てから、琳ちゃんさんは一言も発しない。

やっぱり、機嫌、損ねちゃったかな?


「琳ちゃん、さん...?」


隣で雑誌を開いている琳ちゃんさんに声をかけてみるけど、返事が返ってこない。


「琳ちゃんさ...」


2回目の呼び掛けをしようとした瞬間、琳ちゃんさんの体がグラリと傾き、私の肩に寄りかかった。


「えっ、琳ちゃんさん!?大丈夫ですか!?」


私は慌てて琳ちゃんさんの表情を窺う。
だけど、琳ちゃんさんは目を閉じ、規則正しく寝息を立てていた。


なんだ...寝ちゃったのか...。
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