飴とノイズと君の声
「まもなくCM明けます!」

「久遠くんを医務室に運んでください!」


その場は慌ただしく、私は突っ立っていることしかできなかった。


「ふーちゃん、琳ちゃんといっしょにいてあげて!」


CMが明ける直前でけーちゃんさんは私にそう言い、私も医務室に向かうことにした。

医務室に着いても、琳ちゃんさんは眠ることがなかった。


『...こんなに人がいる中で寝れるかよ...』


琳ちゃんさんは無理をして起きている。

私はそのことが分かり、「後は私に任せてください」とスタッフさん達に部屋から出てもらった。


「ふー、ちゃん...」

「心の声が聞こえたので。一人がいいですよね、私も今出ますから...」


私はそう言い残して立ち去ろうとした。


「待って...」


だけど、琳ちゃんさんはそれを制止する。


「...ふーちゃんなら、いい。...いてよ、ここに」


『今は、一人になりたくない』


心の声も、実際の声も、琳ちゃんさんは私を止めていた。


「...分かりました。だから今は、休んでください」


私はそう言って、琳ちゃんさんの隣に座った。

琳ちゃんさんは安心したように小さく微笑んで目を閉じ、眠りに落ちた。
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