飴とノイズと君の声
楽屋の前に立ち、琳ちゃんさんは少し緊張したように息を吐いた。


「...気持ち、伝わるといいですね」


私がそう言って立ち去ろうとすると、琳ちゃんさんに腕を掴まれた。


「...見てて、ふーちゃん」


琳ちゃんさんの目は、真っ直ぐで、真剣。

私は、その目を見て頷いた。

楽屋の扉を、琳ちゃんさんはゆっくりと開けた。
楽屋の中のけーちゃんさんは、見ていた雑誌から視線をこちらに向け、少し驚いた表情をした。

そして、けーちゃんさんは笑顔を向けた。


「目、覚めたんだね」


だけど、その表情は戸惑いも含んでいた。
きっと、どうすればいいのか分からなかったんだと思う。

琳ちゃんさんが倒れたのは、自分のせいだと自分自身を責めているから。
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