飴とノイズと君の声
「...慧太」

「...っと、どうしたの、琳ちゃん。そんなに真面目な顔して...」


けーちゃんさんは少し空気を和ませようとする。
それはきっと、琳ちゃんさんから負担を遠ざけるため。

だけど、琳ちゃんさんは、逃げない。


「...今日、お前の家に泊まらせろ」

「...へ?」


琳ちゃんさんの言葉に、けーちゃんさんは素っ頓狂な声をあげる。


「えーっと...どうしたの?琳ちゃん」

「...お前の家で寝させてくれってことだよ。俺の家、最近外がうるせぇから」


それが、あることを意味するのだと、けーちゃんさんは気づいたらしい。


「...大丈夫なの?琳ちゃん...俺の前で、寝るとか」

「...当たり前だろ。慧太の前で寝れねぇ訳ねぇだろ」

「だって...琳ちゃん、俺のこと...信頼出来てないでしょ?」


けーちゃんさんの声は戸惑いや不安が入り雑じり、酷く不安げだった。
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