飴とノイズと君の声
シャッター音が聞こえ、琳ちゃんさんはキョロキョロと辺りを見回した。


「...琳ちゃん」

「...あ、ごめんごめん。ちょっと気になっただけー」


琳ちゃんさんはそう言って笑った。

だけど、その笑顔はすぐに消えることになった。

琳ちゃんさんの携帯が鳴り、琳ちゃんさんはそれを見て、驚いたような表情をした。


「琳ちゃんさん...?」


呼び掛けたその声は、どうやら届いていないようで。
琳ちゃんさんはただ呆然とその画面を見て、徐々に震え出した。

その震えは小さく、だけど、琳ちゃんさんが動揺しているのは明らかだった。


「琳ちゃんさん!」

「っあ...ごめん、俺、用事あるから、帰る」

「え?ちょっと、琳ちゃん!」


琳ちゃんさんは私達に背を向け、走っていってしまった。
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