飴とノイズと君の声
「琳ちゃん!昼一緒に食おーぜ!」

「私も一緒に食べたいー!」


昼休憩になり、琳ちゃんさんはまた囲まれる。


「うん、いいよ。みんなで食べよーぜ!」


琳ちゃんさんは笑ってみんなをまとめ、席につく。


「ねぇねぇ、琳ちゃんっていっつも売店のパン1つだよね?足りるの?」

「良ければお弁当作ってこようか?」


女子が期待の眼差しで琳ちゃんさんを見る。


「あー、いいよ。俺、売店のメロンパン好きなんだ」

「そうなんだー!」

「メロンパン好きって可愛い~!」

「私も食べてみようかなぁ!」


琳ちゃんさんの周りの女子は、魔法がかかったようにキラキラしてる。


「風歌ちゃんもおいでよ!」


女子にそう言われたけど、私は浮いちゃうだろうな。
ごはんはのんびりなーんにも考えずに食べたいし。


「ううん。大丈夫。私はいいやー」


いつも誘われたら、こうやって断ってる。
そうするとやっぱりマイペースだねって微笑まれちゃう。

断っても何回も誘ってくれる、みんな優しい人だって思う。
< 7 / 110 >

この作品をシェア

pagetop