飴とノイズと君の声
「琳ちゃん、一緒にお昼食べよ?」

「私、クッキー作ってきたから!」


昼休憩。
女子が集まって、琳ちゃんさんを誘う。

琳ちゃんさんは少し戸惑ったように視線を彷徨わせ、頷いた。


『...慣れなきゃ』


琳ちゃんさんの強い意志が聞こえた。
だけど、私は素直に喜べない。

女子に囲まれてニコニコ笑っている琳ちゃんさんを見ていると、なんだか苦しくなる。


「風歌ちゃん?どうかしたの?」

「えっ...あ、ううん」

「えー、嘘だー。琳ちゃんのこと、ジーっと見てたよ?」

「そ、そんなことないって!」

「あはは、風歌ちゃんがそんな真っ赤な顔するなんて、初めて知ったー」


...やっぱり、落ち着かない。

いつの間にか、こんなに琳ちゃんさんのこと...。

口の中の卵焼きは、全然味が感じられない。

これが恋、なのかな。
琳ちゃんさんのことが好き。
この気持ちが、恋?

恋って、こんなに心臓が変になって、熱くなって、苦しくて...。

まるで、病気みたい。
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