飴とノイズと君の声
次の日、私はその飴を制服のポケットに入れて高校に登校した。


「おはよう、風歌ちゃん」

「おはよー、実砂ちゃん」


挨拶を交わして、席につく。

いつも通り、琳ちゃんさんの席にはたくさんの人。

私はその空間を眺めながら、ポケットから飴を取り出した。
この飴...今舐めてもいいかな...?

少しドキドキしながら、私は飴の袋を開ける。
そして、口の中に放り込んだ。

その飴は、食べたことがない味。
甘酸っぱくて、ふわって広がるような、優しい味。

フルーティーのような、クリーミーなような。
分からないけど、すごく美味しい。

私は暫くその味を楽しみ、飴を舐め終わった後、少し、異変に気づいた。

なんだか、変な音が聞こえる。

それは、ザザッというノイズだった。
その音はどんどん大きくなり、私は耳を塞ぐ。

そして、少ししてから、声が聞こえた。


『騒がしい。こんなに集まって...何が目的なの?』

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