飴とノイズと君の声

｢...え？｣


その言葉は、意外でしかなかった。


｢琳ちゃんさんと会ってるんですよね...？｣

｢...うん。だけど、ほら、琳ちゃん声出ないから、話とかしなくて。最近どう？って聞くのも、なんか琳ちゃんを焦らせる気がして...｣


けーちゃんさんはけーちゃんさんで、琳ちゃんを傷付けまいと必死なんだ、と微笑ましくなる。


｢多分、元気だと思います。琳ちゃんさん、頑張ろうって思ってるみたいです｣

｢そっかぁ。って、なんかふーちゃん随分と他人行儀っていうか...？｣


けーちゃんさんは、私の言い方に違和感を感じたらしい。


｢あー...最近、一緒にいないんです。琳ちゃんさんが、少し時間がほしいって｣

｢...そっか。琳ちゃんも、前に進もうと頑張ってるんだね｣


けーちゃんさんの声は、心なしかさっきよりやわらかかった。


私も、応援する。
琳ちゃんさんと話したいのは確かだけど、私は、笑顔であの優しい声で、話してほしいから。