飴とノイズと君の声
どこにいるんだろう。

琳ちゃんさん...。

そう思って廊下を走っていると、ある教室で大きな物音がした。


ガンッ...。


その音がした空き教室を見ると、琳ちゃんさんがしゃがみこんでいた。
そして、何度も拳を机にぶつけていた。


『なんで出ねぇんだよ...!早く、早く治さなきゃ、俺...忘れられる』


琳ちゃんさんは、焦ってるんだ。
仕事も出来ない状態で、周りとコミュニケーションもとれなくて。


「...焦らなくて、いいですよ」


思わず、私はそう、声をかけた。
< 92 / 110 >

この作品をシェア

pagetop