旦那さまの皮を被った変態が
ーー
出張終わり。
旦那さまがお帰りになられました。
「すうううぅ、はあああぁ!すうううぅ、はあああぁ!」
「お疲れ様です」
案の定の恒例行事。労るように、その大きい背中に手を置かせていただく。
「旦那さま、お夕食とお風呂どちらが」
「君がいい」
「そのような選択肢はございませんが」
「君がいい」
すっと、ガムを差し出されたので口に含みます。結局、これも恒例行事なのだと飲み込む所存でしたが。
「……」
「……」
ガムは彼の口の中。
事態を把握し、遅れて体が火照り、まあまあまあ、何てことになっているのでしょうか。
「強引なことで」
「優しく出来ないほど、必死で好きなんだ」
でしたら、私も同じようにしなければなりません。意に沿わないことは嫌いですので。奪われたならば奪い返し、飲み込みます。
※単なるラブシーンです。