旦那さまの皮を被った変態が
ーー
「よその方に、自身の嗜好をお話なさるなんて、どういった了見でしょうか」
「い、いや、つい。この前の出張で、風船の質問をされたから正直に。本当は歯を磨かずにとお願いしたが、それでも妻の息を摂取ーーぐふっ」
旦那さまは嘘をつけない誠実なお方。悪いお人に騙されないよう、後々、念入りにお話すると致しまして。
「正直、主任がそういった趣味をお持ちであることに驚きましたが。でも!それでも、あたしは主任を好きでいます!主任のどんな要望にもお答えしますから!」
直面した問題は一向に折れる気はないご様子。どうしたものかと、流石の私も頭を抱えてしまいます。
「お分かりになって?私たちは夫婦です。愛を誓い合い、生涯を添い遂げると決めた者同士。別れるなんて有り得ません」
「主任の要望にも応えられない人が何を言っているんですかっ。本当に好きなら、主任のために何でもしてあげるべきでしょ!例えばーー」
実演してくれるらしい彼女はガムを取り出しました。口に含み、ある程度噛んだ後に吐き出す。
失礼な振る舞いをしても得意げな彼女。
吐き出されたガムは旦那さまの目にも止まりましたが。
「きもちわるっ」
素でそうほざきやがりました。
※流石にお前が言うなよと思いまして。(奥さま談)