愛しています
彼女

俺、高橋優斗の実家は今住んでいる所から
車で高速道路を使っても5時間はかかる
離れた田舎にある。

今の職場に就いて2年目、
俺がもうすぐ23歳になるという年の春。
新人社員が入って社内の空気が少し変わり始めた頃、
その新人社員の中のある女性に出会った。


彼女は香坂真美という名前だった。
彼女の雰囲気は他の人と違っていて、
高校卒業してすぐだというのに
大人な雰囲気があり、でも明るくて元気で無邪気な笑顔を見せる子だった。

俺が彼女を好きになるのに時間はかからなかった。
出会って2ヶ月という短い期間だったが、
俺の告白に照れながら頷いてくれた。


社内恋愛は禁止されていたわけではないため、
二人とも堂々と交際をしていた。
毎週休日の日曜日には必ずと言っていいほどどこかへ出掛けていた。

交際し始めて半年が過ぎた日曜日。
いつものように出掛けている先で、突然彼女は倒れた。
彼女は体が弱かったのだ。


「ごめんね言ってなくて…」

心配かけたくなかったの、と病院のベッドに横になりながら彼女は弱い笑顔を見せた。

それから日曜日は出掛けはするものの、
やはり心配であまり遠くには行かず、
病院から処方された薬も必ず持ち歩いていた。

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