愛しています
娘
優美が生まれて…真美がいなくなってはやくも5年が経った。
あれからすぐ優美を保育園に預け、時間ギリギリまで働いて保育園が終わると同時くらいの時間に迎えに行くという生活をしていた。
優美にとっては辛かったと思う。
だから休日の日曜日は必ず出掛けていた。
あの頃真美とそうしていたように。
ある日の日曜日、動物園に行った。
「わぁー!パパみてキリンさん!くびながーい!!」
物覚えもよくなり、とても女の子らしい可愛い子に育ってくれた。
「パパ次あっち!」
「こら走ったら転ぶ」
「わぁ!!」
言ったそばから段差につまずき転んでしまった。
「ほら言っただろ」
優美を抱き抱え近くのベンチに座らせ、絆創膏を取り出す。
「ゆみなかないよ!えらい?」
「うん偉い。すごいね優美」
「ふふー♪」
嬉しそうにする優美を見て微笑む。
「パパもえらいよ!」
ふいに優美が言う。
「え?」
「ゆみがケガしたらぜったいバンソーコーだすし、のどかわいたらジュースだしてくれる!パパすごいよ!あとね、ゆみが泣きそうになったら変な顔する!」
「最後のは…」
苦笑いをすると優美は満面の笑みで言った。
「パパいつもありがとう!だいすき!」