愛しています
優美が小学生になった。
たくさん働いて稼いだため、お金がかかってもまだ少し余裕があった。
それからは優美の帰宅時間も考え、仕事もはやく帰るようにしていた。
前よりも一緒にいる時間が長くなり、より一層仲が深まっていた。
…はずだった。
義務教育を終え、高校に通いはじめた優美は、
夕飯いらない、というところからはじまった。
それからエスカレートしていき、
帰ってきても夜中に出ていったり、帰ってこない日まであった。
何週間か後に帰って来たとき驚愕した。
優美の綺麗な黒髪は金髪に、耳にはたくさんのピアス、顔は化粧で面影もなく、距離が離れていても匂いが届く香水の匂い。
「優美、それは…」
「ちっ」
俺の言葉に優美は舌打ちだけして真っ直ぐ部屋に行ってしまった。
動揺が隠せなかった。
なぜ?
どこで間違えた?
今まで頑張ってしっかり育てたはずなのに。
そんな言葉が頭でめまぐるしく回っている。
それからも優美は変わらず遊びに出掛け、2年生の中頃には学校の先生から電話がきて、
「学校に来ない」とまで言われた。
俺はどうしていいかわからず、何も言えずにただ仕事に明け暮れた。