愛しています
家族
数年が経ち、優美は二十歳になった。
俺と優美は真美の墓前にいた。
「お母さん、今日は天気いいね」
そう優しく語りかける優美を見る。
…真美、今の優美はあの頃のお前にそっくりだよ。
たくさん色んなことがあったけど
優美がこんな風にいてくれてるから
俺は頑張れたんだよな…
真美の願っていたような子に優美はなれているかな?
「お父さん」
立ち上がった優美は微笑みながら俺のほうへ向く。
そして照れる素振りもなく、まっすぐこう言った。
「ありがとう」
じわっと涙が溢れる。
すると優美は変顔を見せ、ニカッと笑う。
あぁ、これが幸せなんだ。
俺と優美が顔を見合わせて笑うと、
真美のために供えた花が風に吹かれ嬉しそうに揺れた。
-END-