きずな
アフターから帰ってきて

シャワーを浴びる

とくに意識しているわけでもないけど

男の人の匂いがついている気がする

タバコの臭いや男物の香水の匂い酒の匂い
人によるかもしれないが加齢臭

そういった匂いを払拭するために念入りに洗う。

今は午前9時、まだ同居人は帰ってこない


「たーだいま」


『おーかえり』


「シャワー浴びとったん?」


『うん』

同居人の、長門太壱はホストをしている

幼なじみで昔から女遊びが激しく

近くのお店にいるからということで、同じ部屋で暮らしている

女物の香水の匂いで臭すぎる太壱から
離れる


「なんではなれてくんだよ」


『くさい』


「え?……あぁしかたないでしょ」


『しかたなくてもくさい』


「じゃあシャワーあびてくるわ」

太壱は私には自分から抱きついてくる

本人いわく

私以外の女には自分から抱きつかないらしい

昔からそうだった

だからといって付き合ってはいない

ただ仲いいお友達それだけ。
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