猫系男子の甘い誘惑
結婚式に同僚を呼ぶ以上、倫子を外すわけにはいかなかった。今日この日まで彼はびくびくしていたのだとしたら、彼の方が気の毒になってくる。
(お幸せに……って、直接言ってあげられたらいいんだけど)
心の中でそうつぶやいたが、本人に言うのはやめておくことにした。倫子の祝福なんて、受けてもしかたないだろうし、あえて波風を立てる必要もない。
今日、人前でみっともなく泣いてしまうようなことにならなかっただけで十分だ。
披露宴が終わると、倫子は最後の一団と一緒になって外に出た。入り口のところで見送りをしてくれる新郎新婦一家に「おめでとうございます」と声をかけて、その場を離れる。
ロビーを見回してみるが、二次会に行こうなんて言ってたくせに佑真の姿はどこにもなかった。
(まあ、いっか。どうせ期待していたわけじゃないし)
行かない――なんて言ったくせに、待っていてくれなかったらがっかりするなんて女心は複雑だ。
とりあえず、自分の服に着替えて帰る支度をしよう。
(お幸せに……って、直接言ってあげられたらいいんだけど)
心の中でそうつぶやいたが、本人に言うのはやめておくことにした。倫子の祝福なんて、受けてもしかたないだろうし、あえて波風を立てる必要もない。
今日、人前でみっともなく泣いてしまうようなことにならなかっただけで十分だ。
披露宴が終わると、倫子は最後の一団と一緒になって外に出た。入り口のところで見送りをしてくれる新郎新婦一家に「おめでとうございます」と声をかけて、その場を離れる。
ロビーを見回してみるが、二次会に行こうなんて言ってたくせに佑真の姿はどこにもなかった。
(まあ、いっか。どうせ期待していたわけじゃないし)
行かない――なんて言ったくせに、待っていてくれなかったらがっかりするなんて女心は複雑だ。
とりあえず、自分の服に着替えて帰る支度をしよう。