猫系男子の甘い誘惑
キスしながら、佑真の着ているシャツのボタンを外していく。
もどかしげに動く佑真の手が、カットソーの中に潜り込んできた。背骨に沿って撫で上げられたら、ぞくぞくする感覚が広がっていく。
ブラジャーと背中の間に指先が潜り込み、片手で器用にホックが外される。残念ながら倫子の胸はさほど大きくない。肩胛骨のあたりをくすぐるように愛撫されて倫子はもう一度喘いだ。
前回このホテルに来た時も、こんな風にふるまっていたのだろうか。どうしてあの時の記憶がないのか悔しかった。けれど、佑真の言うとおりここからやり直すことができるのであれば――これから先のことは、何一つ忘れたくないと素直に思う。
記憶のない申し訳なさを熱情へと変えて、倫子から積極的に手を動かした。佑真の着ているシャツのボタンを全て外す。
「倫子さん――ずいぶん、積極的――」
「今さら……でしょう?」
息を乱した佑真が顔を赤くする。その表情がやけに可愛らしく見えて、思わず口元がゆるんだ。
それからまた熱烈なキスが始まる。鼻をこするようにして、互いの頬に唇を触れ合わせる。服の下で身体に手を這わせるのがもどかしい。
唇を合わせたまま、倫子は肩を揺すってジャケットを落とす。倫子のジャケットに続いて、佑真のシャツが床へと放り出された。