猫系男子の甘い誘惑
「ああもう……こんなに可愛いなんて思ってもなかった」

 佑真の指先一つで、倫子の身体は面白いようにのたうちまわった。蹴り飛ばしたシーツが皺になる。

「手、上げて」

 言われるままに両手を上げると、上半身に着ていたものが頭から抜かれていった。露わになった上半身を隠す余裕なんてない。スカートもまた下着と一緒に落とされていく。

「あ……んぅっ、我慢できな――」
「だーめ、久しぶりでしょう? いきなり入れたら大変なことになるって」

 久しぶり? 久しぶりと言えば久しぶりだ。最後に誰かを受け入れたのは、正体をなくすくらい酔っぱらったあの夜のこと。

「あぅっ」
「ごめん、痛かった?」
「平気……びっくりした、だけ」

 差し込まれた指に困惑して身体が跳ね、慎重に佑真は中を探る。倫子が身じろぎしたり、吐息をこぼしたり――ささいな反応でさえも見逃さないように。

 この間、佑真を受け入れたはずなのに、身体が違和感を覚えている。けれど、それを追及する気にはなれなかった。

「は、んぅ、あ、いぃっ」

 快感を追いかけることだけに集中して、彼が望むであろう反応を返す。最初はぎこちなかった指の動きが、溢れたものの助けを借りて少しずつ滑らかになっていく。
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