猫系男子の甘い誘惑
ひどい二日酔いで起きた時、「問題は事前なのか事後なのか」と口走ったら、佑真は事後だと断言した。
「だって、倫子さんずっと泣いてるんだもん。」
「じゃあなんで着てなかったのよ?」
「それは、俺。だって、付け入るスキが欲しかったんだもん。一回やっちゃったことにすれば、後の話がはやいかなー、なんて」
最後の一枚を残したのは、最後の良心だからねと言われて倫子は脱力する。
(何が最後の良心よ……!)
倫子は脱力した。じゃあ、あれこれ悩んだのは全部無駄だったというわけか。
「倫子さんの意志、無視してっていうのもどうかと思うんだよね?」
「脱がせたくせに」
「言っておくけど、半分は自分で脱いでたからね? 俺は止めたよ、一応――」
(……どんだけ酔ってたのよ――!)
酒は飲んでも、飲まれるな。今後はこの言葉を忘れないようにしようと、固く誓う。
「いいよね? 付き合うって言ってよ」
ぎゅうぎゅうと倫子の身体を抱きしめた佑真がねだる。
まだ、当分は素直になれそうもないし、彼の手の中でいいように転がされた気しかしないが、ここまで来たら、屈服するのも悪くないような気がする。
「……言っておくけど、私性格きついからね?」
「知ってる。でも、そこが好き」
かなわないなぁ、と倫子は苦笑いした。このままでは、きっとこの先も佑真の手の中で転がされることになるのだろう。
「倫子さん?」
返事をしない倫子に焦れたらしく、佑馬が上目づかいにこちらを見上げてくる。彼の耳に唇を寄せると、倫子は、彼が望んでいるであろう言葉を告げた。
「だって、倫子さんずっと泣いてるんだもん。」
「じゃあなんで着てなかったのよ?」
「それは、俺。だって、付け入るスキが欲しかったんだもん。一回やっちゃったことにすれば、後の話がはやいかなー、なんて」
最後の一枚を残したのは、最後の良心だからねと言われて倫子は脱力する。
(何が最後の良心よ……!)
倫子は脱力した。じゃあ、あれこれ悩んだのは全部無駄だったというわけか。
「倫子さんの意志、無視してっていうのもどうかと思うんだよね?」
「脱がせたくせに」
「言っておくけど、半分は自分で脱いでたからね? 俺は止めたよ、一応――」
(……どんだけ酔ってたのよ――!)
酒は飲んでも、飲まれるな。今後はこの言葉を忘れないようにしようと、固く誓う。
「いいよね? 付き合うって言ってよ」
ぎゅうぎゅうと倫子の身体を抱きしめた佑真がねだる。
まだ、当分は素直になれそうもないし、彼の手の中でいいように転がされた気しかしないが、ここまで来たら、屈服するのも悪くないような気がする。
「……言っておくけど、私性格きついからね?」
「知ってる。でも、そこが好き」
かなわないなぁ、と倫子は苦笑いした。このままでは、きっとこの先も佑真の手の中で転がされることになるのだろう。
「倫子さん?」
返事をしない倫子に焦れたらしく、佑馬が上目づかいにこちらを見上げてくる。彼の耳に唇を寄せると、倫子は、彼が望んでいるであろう言葉を告げた。