猫系男子の甘い誘惑
グングニル
このまま別れるのもどうかと二人そろって入ったのは、モーニングメニューを提供しているファミリーレストランだった。
「……食欲、ないかも……」
なんて口にした倫子だったが、朝粥セットが運ばれてくれば、添えられていた梅干を投入してさらりと一人前食べ終えてしまう。
「俺、それだけじゃ足りないんで」
そう言った佑真は、朝から豪勢な洋食セットを頼んでいた。トーストにサラダ、オムレツと言ったメニューなのだが、パンはお替り自由だ。ボリューム満点の皿から目をそらし、倫子はドリンクバーのコーヒーを口に運んだ。
「……それで、どこから始めるの?」
「明日、俺に一日ください。絶対、倫子さんには後悔させないんで」
「あいつのハートをぐっさりできる?」
「そりゃもう!」
元気いっぱい笑う佑真には、苦笑いを返すことしかできない。
若いってステキ、なんて月並みな感想が出てきてしまうのは、彼が二十七の倫子より三才年下だからだろうか。どうも二十五を挟んでそれより上と下で明確な線が引かれているような気がしてならない。
「……ねえ、グングニルの槍って知ってる?」
「知ってますよ。あれでしょ? ラグナロク・クロニクルでラスボスを倒すのに必要な武器」
「そうじゃなくて」
「……食欲、ないかも……」
なんて口にした倫子だったが、朝粥セットが運ばれてくれば、添えられていた梅干を投入してさらりと一人前食べ終えてしまう。
「俺、それだけじゃ足りないんで」
そう言った佑真は、朝から豪勢な洋食セットを頼んでいた。トーストにサラダ、オムレツと言ったメニューなのだが、パンはお替り自由だ。ボリューム満点の皿から目をそらし、倫子はドリンクバーのコーヒーを口に運んだ。
「……それで、どこから始めるの?」
「明日、俺に一日ください。絶対、倫子さんには後悔させないんで」
「あいつのハートをぐっさりできる?」
「そりゃもう!」
元気いっぱい笑う佑真には、苦笑いを返すことしかできない。
若いってステキ、なんて月並みな感想が出てきてしまうのは、彼が二十七の倫子より三才年下だからだろうか。どうも二十五を挟んでそれより上と下で明確な線が引かれているような気がしてならない。
「……ねえ、グングニルの槍って知ってる?」
「知ってますよ。あれでしょ? ラグナロク・クロニクルでラスボスを倒すのに必要な武器」
「そうじゃなくて」