ネタ集め
おそ松さん メモ
〜幸せ〜 back number
1P
夕方のちょうど綺麗な夕焼けが見えるころ
一松は馴染みの路地裏にいた
毛並みの綺麗な美人なネコに会えたのは幸運だ
蒼く透き通った目をしている
「一松、こんな所にいたのか。探したぞ」
そろそろ帰ろうかと思った時アイツの声が聞こえた
声の聞こえる方を見ると夕焼けをバックに学ラン姿のカラ松がいた
「帰ろう」
自分の方に手を伸ばすカラ松
自然な笑顔、最近めっきり見なくなってしまった
ドクン…と胸が打ったのは気のせいだろう
高校に入ってからは演劇部のせいか、大袈裟な立ち振る舞いをする様になったカラ松
妙にウザい顔をよく見かける
この頃だ
この路地裏が落ち着くと思うようになったのは
前までは路地裏は怖いところだと思っていたが、
野良猫は可愛いし、人と関わることも少ない
「ニャ〜オ」
そう鳴いてネコは路地裏の奥へと行ってしまった
仕方ないというように腰を上げ、カラ松の横を通り過ぎる
「…置いてくよ」
「あ、あぁ!待ってくれ!」
慌てて追いかけるカラ松と
猫背になりつつある一松
そんな二人を夕焼けが暖かく包み込んだ
2P
時は平成、学生だった六つ子は今は立派なクズニートである
「ふぁあ〜、おはよ〜」
みっともなく腹を掻きながら居間に降りてきたのは六つ子の長男であるおそ松だ
「ちょっと、もうおはようって時間じゃないんだけど」
求人雑誌を見ていたチョロ松はだらしないおそ松に怒りを通り過ぎ、逆に呆れてきた
「おはよ〜、おそ松兄さん」
おそ松の方は見らず、相変わらずスマホばかり弄っているトド松
「あれ?他の松たちは?」
「一松はネコ、十四松は野球、カラ松は…知らない」
「カラ松兄さんなら、どうせ、いつもの橋でイタイ格好して白い目で見られてるんじゃない?」
そっかー、と興味を失ったのか台所へと朝食(?)をおそ松は取りに行った
3P
いつもの友だちに缶詰と煮干を持って会いに行く
いつか見たあの綺麗な蒼い目をしたあの子はあれ以来見ることは無かった
あの日は本当についていたらしい
路地裏で友だちは待っていたように一松の周りに集まってくる
今日は少し長めに触れ合っていた
そろそろ帰ろう
家までの道のりはそう遠くない
途中で少し大きな横断歩道があるくらいだ
「ニャ〜オ」
自分の後ろから聞き覚えのある鳴き声が聞こえた
振り向く前にそのネコは、一松を追い越す
その先は……
「ッッ待って!!」
赤色の光
全身から冷や水を被ったような感覚
ざわめく周囲
必死に伸ばす腕
迫りくる車
大きなブレーキ音が平凡な日常を変える
4P
一松とネコは無事だった
一松はネコを抱いたまま、また直ぐに走り出す
面倒なことになる前にさっさと消えよう
足を止めるともう動けなくなる
脇腹が痛い、苦しい
焦る気持ちがまだ長引いている
暑いのか、寒いのか分からない、気持ち悪い
手に汗握る、誰かに急かされるように足を速める
人気のない公園に着いた
スピードを緩め、近くのベンチへ座る
足がガクガクしてしてまともに歩けるような状態ではない
怖かった、怖かった
息を整える
ネコは一松の腕からスルリと抜け出し近くに座った
未だに鼓動の速い心臓を落ち着かせるように胸に手を当てる
しばらくし、落ち着いてからもう1度よく見てみる
あの時のネコだ
しかし、首には首輪がしてあった
飼い猫…
それ以外は何も変わっていなかった
透けるような蒼い目、綺麗な毛並み
元気そうで良かった
ふと気がつくと辺りは暗くなりそうになっていた
どうやら、寝てしまっていたようだ
あのネコはもういなかった
主人のところへ帰って行ったのか
また、危険な目にあっていないか…
「無事だと…いいな…」
僕も帰ろう
5P
次の日、一松は大きな横断歩道付近にいた
あの時のネコを探しているのだ
一松の腕の中にはもう別のネコを抱えていた
エスパーニャンコである
「あの!」
一松に話しかけてきたのは兄弟でもチビ太でもイヤミでもデカパンでもハタ坊でも無く、トト子と同じくらいのスタイルのいい色黒の女子だった
一松は混乱した
ただでさえ女の子に免疫がない一松には衝撃が強かった
大袈裟に肩をびくつかせ、汗をとめどなくかき、目線をキョロキョロさせている
「あの、昨日ウチの子を助けて下さった方ですか?」
意を決してその娘を見る
色黒の女子の腕の中に一松が探し求めていたネコがいた
「あ…」
「!やっぱりそうなんだな!!良かった!ちゃんとお礼がしたかったのよ!」
思わず反応してしまった一松に女子は嬉しそうに笑い近づいてきた
「私いいところ知っているのよ!行きましょ!」
女子は一松が答える前にグイグイと腕を引っ張り、少し歩いた所にある喫茶店に入った
一松はなすすべがなく、されるがままだった
その女子はどこかアイツに似ているような気がした
1P
夕方のちょうど綺麗な夕焼けが見えるころ
一松は馴染みの路地裏にいた
毛並みの綺麗な美人なネコに会えたのは幸運だ
蒼く透き通った目をしている
「一松、こんな所にいたのか。探したぞ」
そろそろ帰ろうかと思った時アイツの声が聞こえた
声の聞こえる方を見ると夕焼けをバックに学ラン姿のカラ松がいた
「帰ろう」
自分の方に手を伸ばすカラ松
自然な笑顔、最近めっきり見なくなってしまった
ドクン…と胸が打ったのは気のせいだろう
高校に入ってからは演劇部のせいか、大袈裟な立ち振る舞いをする様になったカラ松
妙にウザい顔をよく見かける
この頃だ
この路地裏が落ち着くと思うようになったのは
前までは路地裏は怖いところだと思っていたが、
野良猫は可愛いし、人と関わることも少ない
「ニャ〜オ」
そう鳴いてネコは路地裏の奥へと行ってしまった
仕方ないというように腰を上げ、カラ松の横を通り過ぎる
「…置いてくよ」
「あ、あぁ!待ってくれ!」
慌てて追いかけるカラ松と
猫背になりつつある一松
そんな二人を夕焼けが暖かく包み込んだ
2P
時は平成、学生だった六つ子は今は立派なクズニートである
「ふぁあ〜、おはよ〜」
みっともなく腹を掻きながら居間に降りてきたのは六つ子の長男であるおそ松だ
「ちょっと、もうおはようって時間じゃないんだけど」
求人雑誌を見ていたチョロ松はだらしないおそ松に怒りを通り過ぎ、逆に呆れてきた
「おはよ〜、おそ松兄さん」
おそ松の方は見らず、相変わらずスマホばかり弄っているトド松
「あれ?他の松たちは?」
「一松はネコ、十四松は野球、カラ松は…知らない」
「カラ松兄さんなら、どうせ、いつもの橋でイタイ格好して白い目で見られてるんじゃない?」
そっかー、と興味を失ったのか台所へと朝食(?)をおそ松は取りに行った
3P
いつもの友だちに缶詰と煮干を持って会いに行く
いつか見たあの綺麗な蒼い目をしたあの子はあれ以来見ることは無かった
あの日は本当についていたらしい
路地裏で友だちは待っていたように一松の周りに集まってくる
今日は少し長めに触れ合っていた
そろそろ帰ろう
家までの道のりはそう遠くない
途中で少し大きな横断歩道があるくらいだ
「ニャ〜オ」
自分の後ろから聞き覚えのある鳴き声が聞こえた
振り向く前にそのネコは、一松を追い越す
その先は……
「ッッ待って!!」
赤色の光
全身から冷や水を被ったような感覚
ざわめく周囲
必死に伸ばす腕
迫りくる車
大きなブレーキ音が平凡な日常を変える
4P
一松とネコは無事だった
一松はネコを抱いたまま、また直ぐに走り出す
面倒なことになる前にさっさと消えよう
足を止めるともう動けなくなる
脇腹が痛い、苦しい
焦る気持ちがまだ長引いている
暑いのか、寒いのか分からない、気持ち悪い
手に汗握る、誰かに急かされるように足を速める
人気のない公園に着いた
スピードを緩め、近くのベンチへ座る
足がガクガクしてしてまともに歩けるような状態ではない
怖かった、怖かった
息を整える
ネコは一松の腕からスルリと抜け出し近くに座った
未だに鼓動の速い心臓を落ち着かせるように胸に手を当てる
しばらくし、落ち着いてからもう1度よく見てみる
あの時のネコだ
しかし、首には首輪がしてあった
飼い猫…
それ以外は何も変わっていなかった
透けるような蒼い目、綺麗な毛並み
元気そうで良かった
ふと気がつくと辺りは暗くなりそうになっていた
どうやら、寝てしまっていたようだ
あのネコはもういなかった
主人のところへ帰って行ったのか
また、危険な目にあっていないか…
「無事だと…いいな…」
僕も帰ろう
5P
次の日、一松は大きな横断歩道付近にいた
あの時のネコを探しているのだ
一松の腕の中にはもう別のネコを抱えていた
エスパーニャンコである
「あの!」
一松に話しかけてきたのは兄弟でもチビ太でもイヤミでもデカパンでもハタ坊でも無く、トト子と同じくらいのスタイルのいい色黒の女子だった
一松は混乱した
ただでさえ女の子に免疫がない一松には衝撃が強かった
大袈裟に肩をびくつかせ、汗をとめどなくかき、目線をキョロキョロさせている
「あの、昨日ウチの子を助けて下さった方ですか?」
意を決してその娘を見る
色黒の女子の腕の中に一松が探し求めていたネコがいた
「あ…」
「!やっぱりそうなんだな!!良かった!ちゃんとお礼がしたかったのよ!」
思わず反応してしまった一松に女子は嬉しそうに笑い近づいてきた
「私いいところ知っているのよ!行きましょ!」
女子は一松が答える前にグイグイと腕を引っ張り、少し歩いた所にある喫茶店に入った
一松はなすすべがなく、されるがままだった
その女子はどこかアイツに似ているような気がした