高校1年の夏休み。
第一章
トンネルの暗闇から抜けると、
懐かしい風景が目に飛び込んできた。
開放的な青い空。
一面に広がるたんぼの緑。
向こう側に見える錆びたバスの停留所。
なにもかも、そのまんまだ。
蒸し暑い中古トラックの中、父が隣で汗を拭きながら運転している。
父の首筋に汗がなぞるように流れた。
それは雨の日の窓ガラスに沿って
流れ落ちる雫をイメージさせた。
じっと見ていると、父が目だけを動かしてこちらを見た。
「ん、どうした」
「なんでもない」
晶はラムネをくいっと飲んだ。
この暑さで生温くなっているラムネは
当たり前だが、おいしくない。
急に車内が、がたんと揺れた。
懐かしい風景が目に飛び込んできた。
開放的な青い空。
一面に広がるたんぼの緑。
向こう側に見える錆びたバスの停留所。
なにもかも、そのまんまだ。
蒸し暑い中古トラックの中、父が隣で汗を拭きながら運転している。
父の首筋に汗がなぞるように流れた。
それは雨の日の窓ガラスに沿って
流れ落ちる雫をイメージさせた。
じっと見ていると、父が目だけを動かしてこちらを見た。
「ん、どうした」
「なんでもない」
晶はラムネをくいっと飲んだ。
この暑さで生温くなっているラムネは
当たり前だが、おいしくない。
急に車内が、がたんと揺れた。